値上げに伴う「駆け込み需要」の反動で、ビール大手4社の10月のビール販売数量は軒並み大幅減となった。
発泡酒や「第3のビール」を含む10月のビール販売量は、キリンが前年比33%減、サッポロが35%減、サントリーが21%減と大きく落ち込んだ。
売上高を発表したアサヒも29%減となった。
10月は、ビール最大10%値上げ前の9月にビールや発泡酒のまとめ買いの駆け込み需要があり、その反動で売上が減少した。
しかし、外食需要はコロナ前の7割程度まで回復し、9月、10月の業務用ビール全体の売上は前年比54%増となった。
10月は例年より多くの食品が値上げの対象となることが事前に発表されていたため、9月に多くの消費者が駆け込みで購入した。
量販店も積極的に駆け込み需要を喚起し、首都圏のディスカウントスーパー「オーケー」では、値上げ対象商品すべてに値上げ予告POPを表示し、大きな反響を呼んだ。
ビールなどのアルコール飲料は比較的長期保存が可能で、価格も高いため駆け込み購入に適しており、消費税増税前も同様の状況であった。
10月は反動減が大きかったものの、業務用の回復でカバーされたと言われています。第8波が外食産業などに影響が少ないことを祈るばかりである。
値上げ前の駆け込み需要は、特に買いだめできる商品では自然な現象である。
過去に消費税増税の際にも何度も起きている。それを見越して、スーパーなどの小売業は特売を相次いで打ち出し、需要を喚起してきたが、今回はやや物足りないようだ。
また、相次ぐ値上げで消費者が嗜好品の消費を抑え、ビールの売り上げが激減している。
需要喚起策を講じても消費者の財布の紐は固く、値上げ前の水準に回復するまでには時間がかかると思われる。
増税や値上げを実施すれば、消費者が買いだめをして在庫を一掃し、買い控えを起こすのは当然である。
税収確保のために増税を行えば、消費者の絶対数は減少する。
しかし、この方法は数年後には通用しなくなるので、早急に手を打つことが得策である。
一番簡単なのは、価格を下げて喫煙者の絶対数を増やすことで税収を増やすことだが、これには医療費も増えてしまうというデメリットがある。
今日は以上です。